バスケットボールの審判

平成16年9月25日 東海実業団にて


具体的な事例と関係条文・解釈

以下の事例に対する解釈は、あくまでも個人的なものです。ルールブックに照らし合わせて万全を尽くしておりますが、
誤りがあるかもしれません。その場合は、ご指摘いただければ幸いです。

事例
1
Aチームがショットしたボールがリングに入った(ボール全体の80%程度)が、ネットの部分で押し返され、
上から外に出てきた。カウントか、それともノーカウントか?
規則 第25条 ゴールと点数
25.1 ゴールとは,ライブのボールが上からバスケットに入り,バスケットの中にとどまるか通過することをいう.

第3条 用具・器具
3.2 バスケットはリングとネットで構成される.
解釈 バスケット(リングとネット)を通過していないので、ノーカウント(リバウンドで続行)である.
ネットに引っかかってバスケット内で止まってしまった場合は、カウントである。
事例
2
第3ピリオド終了間際に起こったAチームのファウルは、チームファウル5回目であったが、フリースローを与えず、
Bチームのスローインで再開してしまった。第3ピリオドの残り時間内には、ファウルもヴァイオレーションもなく、
得点もなかった。インターバルになった時点で、Bチームのコーチから「フリースローをしていない」と申し出があった
ので、スコアラーに確認したところ、Aチーム5回目のチームファウルであったことが分かった。
フリースローは与えられるのか? 第4ピリオドの再開方法は?
規則 第58条 処置の訂正
58.1 処置の訂正ができる場合
    規則の適用を誤っていた場合,審判は,次の場合に限り処置の訂正をすることができる.
58.1.3 与えるべきフリースローを与えないでゲームを再開してしまった場合
58.2 訂正の手続き
58.2.1 誤った処置がなされたあと,ゲーム・クロックが動き始めてから最初にデットになったボールが次にライブに
     なる前に審判が誤りに気がつくかスコアラーから誤りを知らされるかしたときは,処置を訂正することができる.
     誤った処置がなされる     →ボールがデットのときに誤りが起こる
     ボールがライブになる      →処置の訂正ができる   ---(状態1)
     ゲームクロックが動き始める  →処置の訂正ができる   ---(状態2)
     ボールがデットになる      →処置の訂正ができる   ---(状態3)
     ボールがライブになる      →処置の訂正ができない  ---(状態4)

第19条 ボールの状態
19.2 ボールは次の瞬間にデットになる.
    (4)各ピリオドまたは各延長時限の競技時間終了の合図が鳴ったとき.
19.1 ボールは次の瞬間にライブになる.
    (3)スローインの場合,スローインするプレィヤーにボールが与えられたとき.
解釈 誤ってBチームのプレィヤーにスローインのボールを渡してしまったとき---(状態1)
スローインのボールをコート内のプレィヤーが触れたとき         ---(状態2)
第3ピリオド終了の合図が鳴ったとき                     ---(状態3)
第4ピリオド開始のとき,スローインするプレィヤーにボールを与えたとき---(状態4)
であり、第4ピリオド開始前のインターバル中は、状態4になる前であるから、処置の訂正は可能であり、
与えるべきフリースローを行った後、オルタネイティング・ボゼション・ルールによるスローインが与えられることに
なっているチームのスローインで第4ピリオドを始める。



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