(熱暴走しないためには……)

  私がまだ学生の頃(今から15年ほど前)には、改造していない純正のコンピュータでも、真夏の熱い日の南向きの部屋で使っていると、たまに(?)熱暴走をしたものでした。 今時のコンピュータでは、このようなありがた迷惑な経験をすることもないと思います。 その時の対策は、なんと、たった一台のコンピュータを使うために、部屋にエアコンを取り付けたのでした。 学生が暑いと言ってもエアコンは入れてもらえなかったのですが、コンピュータがほんの一度”暴走”しただけで、エアコンの導入にゴー・サインがでました。 人間の丈夫さが、ちょっぴり残念だと思ったのはその時だけですが……。

  熱暴走を防ぐには、暑くならないようにすることが第一ですが、それでも限界があります。 そもそも冷やすことができない場合もあります。 高温で動作する機械のすぐ横に取り付けるとか、小型化するために冷却用のファンを取り付けたりできない場合などです。

  そのような時には、半導体材料としてより高温でも使えるものを使用する方法があります。 同じ高温でも、真性キャリア密度がそれほど高くなりにくいものを選べば、冷却しなくても使用ができます。 現在、そのように高温でも使える半導体材料の開発が、盛んに行われています。 冷却装置がいらないのですから、より一層のパソコンの小型化が期待できます。


  今回は、前回までよりもより真面目(!!)に半導体のことについてみてきました。 もしかしたら、わかりにくかったかも知れません。 わかりにくいところを、もう一度読み直してみて下さい。 頭の中が混乱して暑くなりすぎたら、冷たい飲物でも飲んでリラックスし、頭を冷やしてみて下さい。 (ジューッ。) それでは、今回の半導体ツアーもこのあたりで終わることにしましょう。 また次回へ。

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