(バイポーラ・トランジスタは一定速度)
FETと異なり、バイポーラ(両極性)・トランジスタは、その名の通り、電子と正孔の両方を利用するトランジスタです。 npnとpnpの2種類があります。 その中のキャリアの移動は、拡散によって生じています。
バイポーラ・トランジスタを動作させるためには、バイアスと呼ばれるある関係の電圧を三つの電極の間にかけなければなりません。 このバイアス電圧は、動作させるために確かに必要ですが、この電圧の大小で電子や正孔の速度を制御しているわけではありません。 むしろその電圧で、キャリアの流れる量を制御しています。 このことは、意外と多くの人が勘違いしていると思います。 例えばバイポーラトランジスタで増幅器を作ると、その増幅率(利得)を大きく稼ごうとすると、使用できる周波数の帯域幅が減少したりします。 このことから、バイアスでキャリアの拡散する速さが変化できるような、勘違いが始まるのかも知れません。
時々、トランジスタと言うと、このnpnかpnpの二つしかないと勘違いする人がいます。 その人に、”FETは何ですか?”と質問すると、”エフ・イー・ティーです。”との答。 FETは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)のことですから、立派なトランジスタです。