(半導体の純度: プールに一滴のインク)
現在コンピュータのなかで使われている半導体の純度は、11Nです。 私達が実感できるものにたとえるなら、25mプールに一滴のインクをたらしたぐらい、もうそれが11Nです。 半導体は、そんなにきれいな材料なのです。 私達人類が、今までに手にできる形あるものの中では。
(脱線: だまされないゾ!) 私が学生時代に受けた講義のなかで、印象的な先生の言葉の中に、「たとえ話をするときには、注意しろ!その人は、分かりやすくするために、厳密な定義を全て飛ばして、特殊な場合だけを取り出し、君達をだましにかかってきているゾ!!」というのがありました。 私の頭の中には、そんなことしか、実は、印象に残っていません。 ”どうでもいい”ような、実に奥の深いどうでも良くない話だけが、脳の中にイカリを、今でもおろしている気がします。 さて、今私の文章は、みなさんを”だましにかかって”います。 半導体を25mプールにたとえ、混ざりものの不純物をインクにたとえているわけです。 ”東京ドームに……”や”富士山に……”のたとえは、少なくても私にはわかりにくいたとえです。 東京ドームは近くで見たことがないし、富士山は新五合目からしか自分の足で登っていないし一合目から登ってもまず、その大きさを”実感”できないでしょう。 タトエ良さそうなたとえ話でも、みんなが実感できそうな、イイたとえでなければならないでしょう。 先月号で述べたように、”実感”、わかった気になるためのキーワードです。 |