(使える半導体: 純粋な半導体は電流を流さない)
“電流の流れやすさが金属と絶縁体の中間の物質”という半導体の定義から明らかなように、半導体は金属のように電流を流すことはできません。 意外と多くの人は、このことをあまり気にかけていません。
不純物が含まれない半導体のことを、真性半導体といいます。 真性半導体は、その材料の種類と温度で決まるほんの極わずかのキャリアしか持たないので、電流をほとんど流すことができません。 高純度の半導体(実はそのような半導体は、ほとんどの場合手にすることができませんが)は、電流を流すことができるp形でもn形でもなく、絶縁体(insulator)のように電流を流さないのでi形と呼ばれます。
詳しくは次回に述べますが、使える半導体には、極わずかの意図的に添加された不純物が存在します。 その不純物の種類で、p形やn形の半導体ができます。
あらかじめたくさんの不純物が混入していると、その量より少ない量の不純物を意図的に入れても、p形やn形の制御が思うようにできません。 定義3で述べたように、電流の流れやすさやそのキャリアの種類を制御するためには、半導体の不純物量ができるだけ低い高純度の材料が不可欠になってくるのです。