(閉殻: 電子は寂しがり屋)
原子は、その原子番号と同じ数だけの電子を持っています。 電子は負電荷を持っていますから、電子だけでは全体が負になってしまいます。 原子の中心には陽子と中性子からなる原子核があり、陽子は、電子の電荷を打ち消すだけの量の正の電荷を持っています。 電子はいくつかの決まった軌道を持ち、その中に一定の数の電子が存在すると安定な状態、”閉殻”構造になります。 He,Ne,Arなどの希ガスと呼ばれるものは、閉殻であるために、気体の状態では分子をつくらずに一つの原子で存在しています。 ですから、一般に化合物をつくらず、科学反応を利用した化合物からの抽出ができず、地球上でまれ(希)なガスなのです。
一番外側の電子は、いつも閉殻構造をとれるとは、限りません。 実際、希ガス以外は、全て電子の座席のどこかに”空き”があり、不安定な状態のままです。 実際には、もう一つの原子とくっつき、電子を共有して安定な状態、共有結合をつくります。 閉殻構造を持たない、一番外側の軌道を回る電子(価電子)は、寂しがり屋さんなのですネ。