国体カウントダウンボード開発

 2021年9月25日(土)から三重県で開催される第76回国民体育大会「三重とこわか国体・とこわか大会」の広報用カウントダウンボードを鈴鹿高専の機械工学科、電気電子工学科、電子情報工学科の第4学年の学生と教職員がチームを組んで設計・製作しました。
 2019年4月から開発スタート、同年8月にイオンタウン鈴鹿でお披露目会、鈴鹿市役所1階ロビーへの展示というハードスケジュールでした。

担当は、機械工学科が全体的なコンセプトの企画と筐体その他の機構設計および制御系のシステム設計と製作、外装デザインを担当しました。電気電子工学科は国体・大会までの残日数を表示するLED表示器の回路設計と製作、電子情報工学科は残日数カウントダウン回路、動画再生機能の実装および動画コンテンツ作成を担当しました。教職員の指導の元、各科2名の学生が担当箇所の設計・製作に取り組みました。
大会マスコットキャラクター「とこまる」は二次元の公式イラストのデータしかありませんでした。機械工学科の学生が三次元CAD(SOLIDWORKS)を用いて立体化、3Dプリンターで出力して組み立て、表面処理の後に塗装を行いました。なかなかの良い仕上がりです。
3桁×2行のLED表示器、動画をエンドレスに再生し続ける液晶モニター、スイッチを押すと大会イメージソング「未来に響け」に合わせて「とこまる」が踊り始める機能、夜間にはLED表示器と照明を落とす省電力機能を備えています。本体内に制御盤を内蔵しており、NFBのメイン電源スイッチ、全体の制御はオムロン製のプログラマブルリレー、LED表示器の制御はArduino Mega,動画再生はRaspberry Piを用いています。
筐体はアルミフレームを組み合わせて製作しました。前面にLED表示器、液晶モニター、とこまる人形(および回転機構)、背面に制御盤を配置しています。外装はアクリル板を使用し、大判プリンターで印刷したイラストを全面に貼り合わせます。LED表示器や液晶モニターの箇所は綺麗に切り抜き、正確に位置決めしながら大判の印刷物をアクリル板の外装に貼り合わせる作業は全員で協力して慎重に行わなければならない大仕事でした。
点光源であるLEDは上に半透明乳白色の拡散板を配置することで各セグメントを面光しています。セパレーターで分離することで、隣のセグメントの光が漏れることもありません。
目玉の一つである踊る「とこまる」は鈴鹿市を代表する自動車産業を意識して、タイヤの上に乗っています。このタイヤの下に配置したギヤードモーターおよびフォトマイクロセンサーを用いて、液晶モニターから流れる大会イメージソングに合わせて左右に小刻みに回転して踊ります。音楽が終了すると真正面を向いて停止します。当初は青色のキノコ型スイッチを手で押すことで踊る機能を起動していましたが、開発後に発生した新型コロナウイルス感染症への対策として、非接触式のセンサーに変更する改良を行いました。
鈴鹿高専で開発したカウントダウンボードは2021年1月より、鈴鹿市役所1階ロビーからイオンタウン鈴鹿に移設されました。三重とこわか国体・大会終了まで展示されていますので、お立ち寄りの際には是非、ご覧ください。

(動画)
1.とこまるの踊り
2.プロモーション動画

 

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