鈴鹿高専電子情報工学科

創造工学

4年生の創造工学という実習科目では、学生がチームを組み、半年間で一つの作品を作成します。制作期間や予算などの制約の元、 企画、設計、実装、プレゼン、デモンストレーションを通して、チームでの開発を行います。

このシステムは体温測定をより円滑に行い、店側の負担と、客側の負担を減 らすことを目的としたシステムである 「体温計」「アプリ」「ゲ―ト」の三つのオブジェクトから構成されている。 「体温計」では「アプリ」が入ったスマホをかざされた時にユーザーの体温を測 定し、NFC を用いてアプリへと送信する。

「アプリ」では送られてきた体温データの管理や、体温、測定方法、経過時間 を基に体温信頼度「ランク」の算出&表示、ユーザー側からの自己記録による 体温入力の受付などを行う。 「ゲート」では「アプリ」が入ったスマホをかざされた時に NFC を用いて 「アプリ」から「ランク」を受け取り、店側の基準ランクと比較してユーザー に入場許可 or 不許可を通達する。

通信部分はサービス(HostApduService)として実現し、アプリ部分とはランクや体温などのデータは共有変数(Application)を介してやりとりする。体温・時間・測定方法はデータベース(SQL)へ保存される。ランクに応じて背景の色や、絵が変わる。

温度センサ MLX90614 を用いて表面の温度を測定し、距離センサ HCSR04 を用いて 距離を測り、その距離によって温度センサで測定した温度が体温に近づくように補正を かける。また、それで補正をかけた温度を NFC に送信し、それをアプリへ 送信する。

NFC を通じてアプリからランクを受け取り、入店基準を満たしているか判定する。店側が基準を自由に変更できる。ランクの判別結果によって画面商表示と音声出力が変化する。

ユーザの感想(本科1-3年生)

  • 3I学生

    27 Jan, 2021

    OKEPI はとても実用的だと感じました。例えば、鈴鹿高専内で、情報処理センターを利用する際などに、OKEPIを使って入室を管理されていたら面白いと思うし、学生の検温意識も上がると思いました。

  • 1I学生

    27 Jan, 2021

    説明に誘導するまでの前フリでとても心を掴まれたし、内容も今ものすごく必要とされているものなので、とても気に入った。

開発者(4年生)の声
中学生のときに高専のオープンカレッジで創造工学作品をみて、当時はそれがどんなふう にできているのか見当すらつかなかったのに今自分達がこの作品を作ったと考えると高専 に入ってから 4 年で力がついたのかなと思った。実験や授業はわからないことだらけで正 直しんどいと思うこともあったが自分達主体で作品を作ってみて自分で作る楽しさを実感 できたので今はいろいろやってみたい気持ちが溢れている。進路のことでひと段落ついた ら様々なことに挑戦してみたい。
これまで Android アプリを作成したことがなかったので今回の創造工学で一 番大きな経験となったと思う。Android アプリ開発自体の情報はたくさんあったが NFC を用いたアプリケーションの情報はかなり少なく,探すのは苦労した.特に困ったの が,どういうデータを送受信しているのかがよくわからなかったことであるが,デバ ッグしてみると素のデータをそのまま送っているだけだった.後から考えてみれば単 純だったから特に情報がなかったのかと思った。
コロナウイルスの関係で開発期間が例年の半分だと知ったときは、アイデアも計画もまと まらず苦労したが、目標としたシステムを開発できた。 今日の世の中に即戦力となるシステムを開発できたので、社会に役立てたいと思う。 反省としては、リーダーを中心に優秀なメンバーに重心が偏ってしまったことが挙げられ る。自分には、アイデアを発案する力はあるものの、それを実現するスキルが伴っていない なと実感したので、卒業までの間、将来必要な知識と技術を身に着けたい。